『Boba Simulator』はタピオカ(ボバ)ドリンク店の経営シミュレーションゲームだ。
プレイヤーはネコちゃんのタピオカドリンク店の経営者(店長)として、仕入れやトッピングの拡充、スタッフの雇用などを行いながら、ステージに設けられた目標の達成を目指していく。
ゲーム自体はシンプルで、プレイヤーができることは少ない。しかし、なんとなく遊びはじめたら、いつの間にかステージをすべて遊んでしまう中毒性があった。
この記事では執筆時点で公開されているステージをすべてクリアした筆者が『Boba Simulator』のゲームプレイの流れを説明した後、内容をレビューしていく。
- ネコが好きな人
- タピオカが好きな人
- 気軽に遊べるシミュレーションゲームがやりたい人
気軽にボーっと遊べるライトなゲームシステム
プレイヤーが行うことはシンプルだ。カップに入れるミルクティー、黒砂糖、ボバ(タピオカ)の量と価格を決めて、仕入れが終わったら、店を開けてお客さんを待つだけ。
価格は適当に儲けが出るように設定しておけばいいし、仕入れもカップ数を入れてボタンを押すだけで終わる。
開店したら、お客さんたちがドリンクを買っていく様子を眺めているだけでOKだ。
店が閉まったらボバが少ないとか、甘すぎるといったフィードバックを参考にして黒砂糖などの量を調整し、仕入れをして開店を繰り返していく。
基本的な流れはそれだけだ。販売収益以外にもドリンクの評価や販売したカップ数などでボーナスがもらえるため、お金のやりくりに苦戦することもない。細かいことに頭を悩ませることなく、誰でもかんたんに遊べる手軽さが良い。
タピオカミルクティは原価率が低いことで有名だけど、この店は原価高くない?
にゃんこがタピオカミルクティーを売ってるだけでかわいいからヨシ!
徐々に進化していくネコちゃんタピオカ店
アップグレード
基本的な販売以外にもアップグレード項目が複数用意されており、資金を投入することでより効率的な店舗運営が可能になる。
アップグレードの内容はドリンクの生産スピードをアップしたり、トッピングを取り揃えたり、マーケティングによって来店顧客を増やすなど、直接的な売上につながるものばかりだ。
重要なのが冷蔵庫で、アップグレードを行うとミルクティーのロスがなくなるため、売れ残りを気にすることなく在庫が持てるようになる。
冷蔵庫に入れていても悪くなるでしょうが!
リアル志向のゲームじゃないから許してよ!
コストの最小化と売上の最大化を目指す、経営の基礎的な部分は本作にも反映されている。
ステージ
本作はステージ制を採用している。各ステージで与えられた目標を達成するとステージクリアとなり、次のステージが解放される作りだ。
ステージごとに新たな店舗機能が追加されていくようになっており、スタッフの雇用やデリバリー、フランチャイズ経営など店舗経営の幅が広がっていく。
ドリンクのカスタマイズが解放されるとミルクティー、黒砂糖、ボバをそれぞれ4種類のなかから選び、組み合わせることが可能になる。良い組み合わせができるとお客さんの評価も上がる。フィードバックを参考にしながら、ドリンクのクオリティを高めるのも楽しい。
1ステージごとに1つの新機能では物足りなく感じるかもしれないが、さまざまな機能が一気に追加されても混乱するだけだ。ステージをクリアしつつ、新たな機能を順々に覚えていけるのがほどよい。
ステージは大体30分程度でクリアできるようになっており、スキマ時間に1ステージずつクリアしていくような遊び方もできる。
謎の中毒性!その正体はビジュアルと”音”?
プレイヤーが介入できる部分も少ないし、退屈なんじゃないの?と思うかもしれないが、本作には不思議な中毒性がある。
まずはビジュアル。ネコちゃんがタピオカドリンクを売って、ネコちゃんが買う姿を見ているだけでも癒やしを感じる。デフォルメされたネコちゃんは愛らしいし、ちゃんと順番を守って並んでいるところにもかわいげがある。
にゃんこのパワーは偉大!
中盤のステージ以降ではVIPと呼ばれる特別なネコちゃんたちが出現する。VIPはチップをはずんでくれたり、新たなVIPを解放するためのスターをくれるなど、それぞれ違った特性がある。ネコちゃんの見た目も特徴的なので、出現すると「あ、レアキャラだ!」とちょっとだけ気分が上がる。
にゃんこの世界ではVIPもちゃんと行列に並ぶのね。
次に”音”だ。本作ではドリンクを販売するごとに”チャリッ”という音が鳴る。
序盤はドリンクの販売スピードが遅いため、気にすることもない、ありがちな音でしかない。しかし、ドリンク生産スピードとマーケティングを最大までアップグレードすると、終わらない行列を作り出すネコちゃんと凄まじいスピードで注文をさばくネコちゃんによって、ゲーム内では「チャリチャリチャリチャリ」音がひたすら鳴り響く。
リアルマネーが増えているわけでもないのに、チャリチャリ音の気持ちよさがクセになる。高揚感があった。
不満点はゼロじゃない、セーブなし、中途半端な日本語訳、バグ
本作は早期アクセスであり、今後改善される可能性は大いにあるが、記事執筆時点で、筆者が気になった点を記載しておく。
まずはセーブ機能がないこと。ステージをクリアしたか否かは記録されるが、ステージ途中ではセーブができない。1ステージが30分程度で終わるとはいえ、ずっと続けられるエンドレスモードも用意されているのに、一度はじめたら中断できないのは不便だ。
中途半端な日本語訳も気になる。お客さんのフィードバックが「ボバの欠如」だったり、唐突に書かれた「で終わりました」など、見るからに機械翻訳っぽい出来。ストーリーはないため、最低限の意味さえ分かれば良いが、ステージ6からは追加された機能の説明が和訳されず、そのたびに自ら翻訳する必要があった。
難しいことが書かれているわけでもなく、イラストからもなんとなく想像はつくが、できれば日本語対応してほしかった。
Googleレンズで説明をさらっと読むのがおすすめ。
あとはバグ。早期アクセスのタイトルはバグありきみたいなところもあるため、致し方ないが、雇用した従業員が出勤してこないことが多い。前払いで給料支払って数日お願いしたのに、1日も出勤しないのはザラで、売上に影響を及ぼすことも多かった。
バックレが多いんだと妄想して乗り切ったぜ……。
とはいえ、進行不可などの重大なバグはなく、早期アクセスなら許容できる範囲だ。
人によって好みが分かれるのが、「ボバルーン」と呼ばれるクリッカー的な要素。不定期に現れるネコの足跡(ボバルーン)をクリックするとお金がもらえるシステムだ。ボバルーンをアップグレードすると出現頻度やもらえる金額がアップするのだが、その頃には店舗の収益も安定していることが多く、有用とは言えなかった。
営業時間の間、プレイヤーが手持ち無沙汰だろうと思って導入したように思うが、クリックするのも面倒で、癒やしのネコちゃんたちを見る余裕がなくなるため、私は不要だと感じた。
にゃんこたちを眺めるのに忙しいんでな!
総合評価
総評:非常に良い
4/5
『Boba Simulator』はタピオカ(Boba)ドリンク店の経営シミュレーションゲームだ。
仕入れやドリンクの調整など地味な作業がメインだが、ステージをクリアするごとに追加されていくデリバリーやVIPの登場など、徐々にできることが増えていくのは楽しい。
タピオカドリンクを売る側も買う側もネコちゃんなのがかわいいし、繁盛しているときのチャリチャリから生まれる高揚感もあってクセになる。
セーブがないことやバグ、未完成の和訳(機械翻訳)など物足りない部分はあるが、早期アクセスなら許容できる。本作は手軽でかわいいシミュレーションゲームが遊びたいプレイヤーにおすすめだ。
- 30分で1ステージ遊べる気軽さ
- 地味に楽しいアップグレード
- ネコちゃんがかわいい
- セーブがない
- 従業員が出勤しないバグ
- 中途半端な和訳
『Boba Simulator』
- 対応機種:PC
- 発売日:2022年12月1日(Steam/早期アクセス)
- 発売元・開発元:Napas Torteeka
- ジャンル:シミュレーション
- 筆者プレイ時間:5.5時間 (ステージ8クリアまで)
- レビュー時のプレイ機種:PC
※2023年11月26日時点
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