『ロング・リブ・ザ・クイーン ~女王への道しるべ~』は女性主人公のゲームを数多く制作しているHanako Gamesが開発した育成シミュレーションゲームだ。
主人公・エロディ王女は母の死を契機にわずか14歳で女王になるための準備をはじめる。
15歳の誕生日に控える戴冠式に向けて勉学に励んでいる間にも、大人たちの陰謀や母から受け継いだ魔法などさまざまな要素が絡み合い、女王になるまでの道のりは一筋縄ではいかない。
この記事では高難易度のゲームシステムを中心に『ロング・リブ・ザ・クイーン ~女王への道しるべ~』 をレビューしていく。
ジャンル | 育成シミュレーション |
発売元 | ラタライカゲームス |
開発元 | Hanako Games Spiky Caterpillar |
プラットフォーム (ストアリンク) | Nintendo Switch PlayStation 4 & 5 Xbox Series X|S & One PC (Steam) |
日本語対応 | Switch:◯ PS:◯ Xbox:◯ Steam:×(Modあり) |
発売日 | Switch:2022年7月15日 PS:2022年7月15日 Xbox:2022年7月15日 Steam:2013年11月9日 |
プレイ時間 | 4時間 |
- 『プリンセスメーカー』が好きな人
- 難易度が高いゲームを好む人
- 剣と魔法が好きな人
本記事はラタライカゲームスから商品を提供いただき、作成しています。
わずが14歳の子どもが背負う責任と重圧
本作の主人公は14歳の王女・エロディ。(作中では皇太子妃と訳されているが、Crown princess=王位継承資格のある女性のほうが正しい)
母が亡くなり、王位を継承することになったエロディは父の助けを借りながら、戴冠式までの40週間を無事に過ごして、女王の座に就くのが目標だ。
スキあらば権力の座を奪おうと企む貴族たち、政略結婚、罪人の処刑、戦争の陣頭指揮など子どもにはあまりにもツラい判断の連続で、息をつく暇もない。
父はエロディの意思を尊重するため、アドバイスを受ける機会はゼロに近く、ほとんどの選択は自らの手で下す。
エンディングまで到達しても完全なハッピーエンドとは行かず、何かしらの苦味が入り交じる。誰かの犠牲の上に国家が成り立っている様子はプレイヤーの心に影を落とすかもしれない。
部分的に見ればハッピーなところもあるんだけどね……。百合エンドもあるし(筆者は百合好き)。
メモ必須!何度も死を経験しながらクリアを目指せ
かわいらしい見た目に反して、本作の難易度はかなり高い。
平日は授業を受けてスキルアップ
エロディに残された期間は戴冠式までの40週だ。1週間は平日と週末に分かれており、平日は授業、週末は別途行動を選択できる。平日は午前と午後でそれぞれ受ける授業を設定する。
- 午前・午後の授業を決め、実行
- 週末の行動を決め、実行
授業によって伸びるスキルは異なる。
スキルの種類は豊富で、宮廷マナーや世辞、ダンスなど王女らしいものから、世界史、対外諜報といった外交、会計や製造などの内政まで多岐にわたる。
戦略や兵站といった軍事的なものや、母から受け継いだ魔法や剣術など戦闘に関するスキルもある。
40週間ですべてをマスターするのは不可能だ。プレイヤーは自由に授業を選び、エロディがどのような女王になるのかを形作っていく。
バランス良くスキルを伸ばしたら詰んだから、重視するスキルを絞るのが良いね。
週末の行動でエロディの気分を変えよう
スキルの伸びはエロディの気分とリンクしている。たとえば、憂鬱状態の場合は王家の作法・会話を学ぼうとしても、通常時よりも能力が伸びにくい。
気分は週末の行動によって左右される。平日の授業の効果を最大限発揮できるようにするための行動選択が必要だ。
こっそり抜け出す (強気+1、孤独+1)を選んでに気分のパラメーター動かしていくような感じ。
イベントでは生死が分かれることも……
授業と週末の行動以外にもイベントが発生する。イベント遭遇時には該当する項目の数値によって成功・失敗が決まる。
お世辞の能力が高ければ、貴族との会話も難なくこなせるし、会計・通商・製造に理解があれば新たな工場製品の価値に気づけるといったような仕組みだ。
日々伸ばしてきたスキルはイベントの成功を左右し、最終的には国家を維持できるかにつながる。
選択を間違えれば、エロディはあっけなく死んでしまう。死のレパートリーは豊富でゲーム内に死亡パターンのリストがあるほどだ。
初回プレイではいつ何が起こるのか分からないため、どのスキルを伸ばす必要があるのか判断できない。しかもイベント時の判断を一歩間違えれば死が待っている。
筆者は何も考えずにバランスよく伸ばそうとしたが、それではゴールに到達できなかった。
3回目ぐらいまではテキトーにやっていたけど、一度も戴冠式まで到達できなかったな……。
クリアするにはメモが役立つ
本作をクリアするには3つの把握すべきポイントがある。
- どの週に何のイベントが発生するのかを知る
- イベント時に必要とされる能力を知る
- 必要な数値を知る
イベント時は必要な能力に対して、現時点の能力数値が合格か失格なのかが表示される。それをメモしておくことでイベントまでの期間に伸ばすべきスキルが分かる。
事前に準備しておけば、慌てることもないのだ。
正直、このメモ作業はツラい。絶対自分の力でクリアするんだ!という方以外は詰まったら攻略を見ながら進めるのがおすすめだ。
1つのエンディングだけならまだしも本作はマルチエンディングだから、選択肢ごとの分岐も考慮してメモを取るのは修行に近い……。
エロディは立場上、多くの貴族と接する。
登場人物は多く、選択肢によってはあまり遭遇しないキャラクターもおり、誰が誰だか分からないこともあった。人物もメモする必要があるかもしれない。
ゲーム内に人物相関図があると良かったなー(名前覚えられない民)
実用性も兼ねるかわいい衣装
本作には能力に対応した衣装があり、エロディに身に着けさせると能力がアップする。
タキシードで経済学関連の能力アップ、魔法少女衣装でルーメン(魔法)能力をアップなど、多くの衣装が準備されている。
かわいさと実用性を兼ねており、殺伐としたストーリーのなかで一種の清涼剤的な存在だ。
エロディは気分によって表情も変化するため、衣装と表情の組み合わせが良いとさらにかわいさが増す。
総合評価
『ロング・リブ・ザ・クイーン ~女王への道しるべ~』は少女を女王へと育成するシミュレーションゲームだ。
平日は授業、週末は公務や余暇を過ごして、スキルを積み上げていく。ところどころで発生するイベントの成否は今までのスキルによって決まるため、細かなスキル管理が必要だ。クリアのためにはメモが必須だった。
母の死によって若くして王位を継承することになったエロディは国家存続のために非情な判断を下すことが多く、プレイしていてツラくなることもあった。一方でエロディの純真な姿を垣間見る機会もあり、癒される部分もある。
難易度の高さとストーリーの非情さは人を選ぶが、どちらかを好むプレイヤーにはおすすめしたいタイトルだ。
- クリア時の達成感
- かわいい衣装が豊富
- 人を選ぶ難易度の高さ
- 登場人物が多く、関係が複雑
- My Nintendo Store
- PlayStation Store
- Microsoft Store
- PC (Steam)※日本語はModのみ
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