『Truck Driver(トラックドライバー)』はトラック運転手となって荷物を届けるドライブシミュレーターだ。
依頼を受けて様々な荷物の運搬を請負い、指示通りに届けることが目標となる。
依頼を受ける→運転するの繰り返しによる作業系で、ゲーム性は乏しい。人を選ぶゲームだ。
筆者は作業ゲーが好きなのもあり、好きな音楽を聴きながら無心で没頭できるところがよかった。
この記事ではPS4版『Truck Driver』のレビューをお届けする。
ジャンル | トラックドライブ シミュレーター |
発売元/開発元 | SOEDESCO |
プラットフォーム (ストアリンク) | Nintendo Switch PlayStation 4 XBOX One PC (Steam) |
発売日 | Switch:2020年11月17日 PS4: 2019年9月19日 XBOX:2019年9月19日 Steam:2021年5月27日 |
プレイ時間 | 23時間 |
- 無心で運転したい人
景観を楽しみながら行う運転業務
ゲーム自体は単調
『Truck Driver』はトラックの運転に特化しており、ゲーム中にやることは少ない。
- 依頼者のところへ行く
- 依頼された荷物を運ぶ
- 休憩ポイントで寝る
- (たまに)ガソリンスタンドで給油
- (たまに)車両の修理
これぐらいだ。
依頼を達成するごとに得た報酬でトラックを購入したり、経験値を使って特定の能力レベルを上げることが可能。
能力には報酬をアップしたり、スタミナの減少を抑えるなどがある。
スタミナと燃料は画面のメーターで確認ができる。
プレイヤーはタイミングに注意しながら、適度に睡眠と給油をしなければならない。
無謀な運転はNG
信号無視や速度違反をすれば、罰金を取られる。
速度違反は常に監視されているわけではなく、オービスのような機械の横を通過するときに判断されているようだ。(カシャ!というカメラ音が鳴る)
一般車は高速道路でガンガン飛ばしてくる一方、一般道では制限速度-10キロぐらいで走るため、30キロ制限の道を走っていると全然進まないことも……。
複数のカメラ視点がある
複数のカメラ視点のなかから自分の好みにあう視点を選ぶことができる。運転手視点(一人称)もある。
コンテナが長く連結されていると運転手視点でのプレイはかなり難しく、カーブが連続する道での切り返しや指定位置への停車などは困難だ。
筆者はほぼ俯瞰視点でプレイした。それ以外にも真上からのカメラがあり、コンテナを指定の位置で切り離す際に便利だ。
筆者がすべてのミッションをクリアするまでに要したのは23時間。ミッションクリア後も、依頼を受けて荷物を運ぶことはできる。
景観を楽しめ!
単調なプレイに彩りを加えるのが美しい景色だ。
メインで走る高速道路だけでなく、山道や住宅街など異なる景観を楽しめる。
壮大な山々や街の灯りは見事なもので、気分が高揚した。
メーカー側も景観の良さを売りにしていて、ゲームには写真モードが搭載されている。
カメラの視点を変えたり、ゲームロゴを入れたりと写真撮影のポイントを探すのも楽しみの1つだ。
気になる積荷
依頼者ごとに積荷は変わってくる。
- チャーリー・ドーバー:水産系
- アンドレイ・フナー:建設系
- イオアナ・フナー:建設系
- スベン・ノーランド:材木系
- デイヴィッド・スン:発電機・危険物系
- メアリー・オサリバン:危険物系
なんだか分からない荷物を運ぶよりも、積荷が分かっているほうが気持ちが入りやすい。
チャーリーから「今回はパーティー用の牡蠣を運んでくれ」と言われれば、トラック一杯の牡蠣を食べるパーティーってなんだよ!と思うし、「父の思い出がつまったトロール船を運んでくれ」と言われれば、大切に運んであげたいと思う。
依頼者とはチャット形式で会話が進んでいく。仰々しいストーリーがなくとも、短いチャットだけでコミュニケーションは十分取れていると感じた。
キャラクターのグラフィックはDLCで追加され、オプションで新・旧選択できる。
積荷によってコンテナのデザインが変わるのも楽しい。
BGMは自分で補完するのがおすすめ
運転中は音楽が聞きたい。
残念なことに『Truck Driver』のBGMは単調で、いまひとつだ。
そこで筆者は思いついた。BGMの音量をゼロにして、好きな音楽を流せばいいのだと。
PS4にはSpotifyのアプリが入っており、バックグラウンド再生もできる。
好きな音楽に自車のエンジン音、対向車の風を切る音が混ざり合うと、運転気分が盛り上がる。
おすすめのプレイ方法だ。
トラックのカスタマイズは豊富
トラックは5種類のメーカー、10台から選べる。(別途マニュアル車4台)
最初のトラック以外はガレージで購入する方式となっている。
あるメーカーのトラックを運転し、経験値を積むとカスタマイズの機能がアンロックされていく。他社に乗り換えた場合は、メーカーごとにまた経験値を積み直すことになる。
車体のカラーリングや、エンジンをはじめ、バンパーやキャビン、フロント部分、排気管などのパーツを変更することができる。
ここは少しの違いなので、筆者は初期のトラックで充分だと感じた。
妨害要素に過剰な点も
走行を妨害してくる一般車
プレイヤーがいくら安全運転を心がけていても、一般車が危険運転をしてくるのには困った。
高速で無茶な合流をしてきたり、充分な車間距離を取らずに車線変更してきたりとやりたい放題なのだ。
ゲーム中の実績として「一定の距離を安全に運転する」というものがあるが、一般車の危険運転のせいで台無しになり、なかなか実績解除できない。
スケートリンクぐらい滑るタイヤ
トラックには耐久性があり、以下の3項目は事故や連続運転により消耗していく。
- 車体
- エンジン
- タイヤ
ここで厄介なのが《タイヤ》だ。
タイヤが長持ちすると書いてある車種でも結局はすぐに摩耗してしまう。摩耗の度合いは緑<黄<赤で表される。
黄色の時点でブレーキを踏んでも止まりにくくなり、フットブレーキとサイドブレーキを使ってなんとか信号で停車できる。赤になったらスケートと見紛うほどにツルツル滑って危険だ。
タイヤ交換のタイミングが比較的に長いならともかく、数回依頼を受けただけですぐ黄色になってしまうので、コストが馬鹿にならない。
摩耗度合いの設定ミスではないかと疑いたくなる。
その他にも車道を走っている車に偏りがあったり、トラックがぶつかってもダメージ表現がなかったりと気になるところがあった。これらは無料のDLCを入れることで改善された。
ローカライズが雑
『Truck Driver』のローカライズは指示の内容に誤字脱字が多く、校正の手順を踏んでいるのか怪しい出来だ。
通貨はユーロ、ドルと並んで円もあり、オプションで変更できる。しかし、ドル→円に変えても数字は全く同じだ。($10,000→¥10,000)
きちんと円換算されないため、1日かかった依頼の報酬が700円なんてことも……。
プレイ自体にそこまで影響があるわけではないが、あまりにローカライズが雑だ。
一番残念だったのは、ボタン操作の「はい」「いいえ」が逆になっていること。
おそらく海外でリリースされたときは、多くの海外タイトルと同様に×が決定、○がキャンセルだったのだろう。日本のユーザーに合わせて○ボタンを決定、×ボタンをキャンセルに入れ替えた。
しかし、翻訳した人は逆になっていることを知らずに海外版をそのまま訳してしまい、結果として誤訳となった。これが顛末だろう。
日本市場への気遣いが仇となり、かえってユーザーを迷わせることになった。残念だ。
総合評価
総評:良い
3/5
『Truck Driver』は依頼を受けて、荷物を届けるだけのシンプルなトラック運転シミュレーターだ。
カーステレオ代わりにお気に入りの音楽を流し、美しい景色を眺めながらの運転はリアリティーがあり、楽しめる。
激しく妨害してくる一般車、タイヤの耐久性、あやしいローカライズなどには気になる点もある。
日常生活ではなかなか運転する機会がないトラックを運転してみたい!という人におすすめのゲームだ。
- 美しい景色
- シンプルな操作性
- 一般車の危険運転
- 雑なローカライズ
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