『Project Hospital』レビュー|本格派の病院経営シミュレーションゲーム【評価・感想】

5 min
『Project Hospital』レビュー
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「医療」ドラマは常に人気があるが、シミュレーションゲームの題材として扱われることは少ない。

詳しい医療知識を必須とせず、診断を自動・手動の選択式にすることで、一般人でもプレイできるようにした病院運営シミュレーションゲームが『Project Hospital』だ。

ただ施設を作るだけではなく、自ら医療に関わるのが、またおもしろい

この記事では9つのポイントを上げて、『Project Hospital』日本語版のレビューをお届けする。

ジャンル病院経営シム
発売元/開発元Oxymoron Games
(公式サイト※英語)
プラットフォーム
(ストアリンク)
PC (Steam)
発売日2018年10月31日
価格
※発売日時点
2,570円(税込)
プレイ時間30時間
こんな人におすすめ
  • 病院経営に興味がある人
  • 本格的なシムを楽しみたい人

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理想の病院を作ろう

プレイヤーはゼロから病院の建設を任されており、設置する科も広さも思い通り。

こぢんまりとした街のクリニックから地域の医療を一手に担う巨大総合病院まで「自分が考えた最良の病院」を運営できる

『Project Hospital』レビュー01

しかし、ここで立ちはだかるのが資金の壁だ。

好き勝手に建設・運営をしているとあっという間に資金が尽きるため、収益性も考慮してプレイしなければならない。

『Project Hospital』では保険会社と契約して患者を回してもらうシステムになっており、最初から契約できる保険会社は収益性が低い。

『Project Hospital』レビュー02
複数ある保険会社から契約する3社を選ぶ

高収益が見込める会社と契約するには診療科を増やす必要があり、結果として巨大病院になってしまうことも……。

資金バランスがシビアなため、プレイヤーには計画性が求められる。

えむ

えむ

急にベッドを50床増やす!みたいな無茶な拡張をしないで、徐々にやっていくのが大事。

資金繰りなんて考えたくない!というプレイヤー向けに、資金無制限のフリービルド形式も用意されている。

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最大9つ運営できる診療科

このゲームで運営できる診療科は以下のとおり。

  • 救急
  • 放射線科
  • 医療検査室
  • ICU
  • 一般外科
  • 内科
  • 整形外科
  • 循環器科
  • 神経科

病院内に設置してある診療科が多いほど多くの病気に接することができ、おもしろい

たとえば、患者が救急車で運ばれてくると、救急の医師によって各科に振り分けられる。

自分がまったく知らない病気を診察している様子や検査、治療法など勉強になることが多い。

そして巨大病院で多くの患者を受け入れながらも、スタッフ一人一人が患者に向き合っている様子を見ると、なんだか誇らしい気分にもなる。

『Project Hospital』レビュー03
検査室から患者をベッドへ運ぶ看護師
えむ

えむ

頚動脈狭窄症って何科? 何科なの??
(答えは循環器科)

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病気の診断はAI医師におまかせ

診断はプレイヤー自身が行うこともできるが、知識が乏しい人には「AI診断」をおすすめする。

医師は患者が診察室に入ってくると、

  1. 自覚症状を聞く
  2. どの検査をするか決める
  3. 検査結果を見て、診断をする

一連の流れがスムーズに行われる。

『Project Hospital』レビュー04
患者の情報画面には難しい用語が並ぶ

私は医療知識の乏しいド素人だ。実際に診察してみると、なにをしていいか分からない。

思いつく限りの検査をやっているうちに時間がかかり、次の患者が待ちくたびれて帰ってしまう。

えむ

えむ

複数の検査のために、患者が院内をグルグルとさまよう様子がリアル……。

黒いジョヴァンナ

黒いジョヴァンナ

必要のない検査をして病人を消耗させるなんて最悪。
『Dr.HOUSE』を見て、ちょっとは勉強して!

一方、AI診断を使えば、プレイヤーは診察の様子をながめているだけでOKだ。

医師がキビキビと検査を指示し、診断を下していく姿に感心する。

ただし、これは上級の医師の場合だ。

インターンから専門医まで、医師のレベルには5段階あり、難しい患者になると低レベルの医師では誤診することもある。

上級の医師は当然給料が高い。低レベルの医師を雇って成長するのを待つか、最初から専門医を雇用するか、経営判断が必要だ。

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変わった特性を持つスタッフ・患者

このゲームに登場するスタッフや患者には特性が付与されている

これが、なかなかのクセモノだ。

たとえば我が病院のトーマス・ホール先生。

『Project Hospital』レビュー05

画像の赤枠部分が特性だ。

  • ロケットマーク:「迅速」→移動速度が早い。
  • カルテマーク:「実用診断」→診断が成功すると経験値ボーナスあり。

なかなか優秀な特性を持っている。

しかし、なかには悪癖を持つ人も……。

  • 豚マーク:「快楽主義」→食事の時間が普通の人の2倍かかる
  • さるマーク:「不快」→なにもしなくても患者を不快にさせる
  • 車マーク:「長距離通勤」→家が遠いため、度々遅刻する

我が病院のダビッド・バークレー先生は「長距離通勤」特性持ちのため、ほぼ毎日遅刻してきて平然としている……。

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えむ

えむ

豚のアイコンが「快楽主義」って……。もうちょっとオブラートに包んだ表示の仕方はなかったんかーい!

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特性によってはしょっちゅう泥酔するスタッフもいる
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かんたん操作で細かい知識は不要

知識のないプレイヤーに合わせてレイアウトにも工夫がされている。

素人が分からないのは「どの部屋にどの設備が必要なのか」

このゲームでは部屋をクリックするとその部屋に必要な設備をオレンジで表示してくれる

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左ウィンドウに設置物が表示される

それすらも面倒であれば、「プレハブ」と呼ばれるテンプレートを設置することもできる

各診療科に合わせた部屋(診察室や手術室など)のテンプレートがあるため、必要な部屋を選んで設置するだけですぐ使用可能だ。

『Project Hospital』レビュー09
必要なテンプレートを選ぶ

プレハブには不必要な備品も含まれているため、コストがかかるのがデメリット。

えむ

えむ

慣れてくると各部屋に必要な設備を覚えて、パパッと設置できるようになる。

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キャンペーンモードには難しいチャレンジも

このゲームには自由に病院を作るサンドボックスモードと様々な条件をクリアするキャンペーンモードがある。

キャンペーンモードにはさらに3種類のステージに分かれている。

  • チュートリアル:1~3
  • キャンペーン:1~3
  • チャレンジ:1~5

チュートリアルは文字通り、診断の仕方や病院の設計、入院患者の管理などを一通り学べる。

キャンペーンでは、赤字病院の立て直しや指定目標を達成して補助金を得るなどの目標をクリアする。

チャレンジでは各診療科を運営しながら、10日間毎日90%の患者を治療する。

最も難易度が高いのがチャレンジレベル4の循環器科。

とにかく入院患者が多く、手術回数も多いため、効率良く運営しないとクリアは難しい。

『Project Hospital』レビュー10
チャレンジ4で設置した大量のベッド

いきなりサンドボックスモードをやるよりは、キャンペーンモードをいくつかこなして、要領をつかむのがおすすめだ。

私はサンドボックスモードより、明確な目的があるキャンペーンモードのほうが改善のしがいがあり、おもしろいと感じた。

課題には「赤字からの回復」「来院する患者の90%治療する」など繰り返しが多く、もう少しレパートリーがほしいところだ。

イベントが少なく盛り上がりに欠ける

『Project Hospital』には、時々災害などのイベントが起こる。

災害や事故が発生し、病院に大量の患者を受け入れるよう要請がくるのだ。

すべての患者をさばき切るとボーナスがもらえるが、失敗すれば罰金を取られる。

えむ

えむ

一生懸命やってるのに罰金なんて、ひどい!!

災害イベントも結局は訪れる患者を黙々と診ていくだけ。単調でドラマ性に欠ける。

たとえば、

  • オペチームがチーム崩壊の危機を乗り越えて絆が深まる
  • 怪我をした少年が再起を遂げてスポーツで活躍する

のようなストーリーイベントの類があれば、病院運営にメリハリがついただろう。

ほどよくデフォルメされたビジュアルとおだやかなBGM

このゲームのビジュアルはアニメチックだ。

上手くデフォルメされており、グロテスクさはない。

手術室がリアルに描かれていたら卒倒モノで、このデフォルメは良い効果を生んでいる。

『Project Hospital』レビュー11
手術室

設備自体の描き込みは細かいため、意図的な調整がされているのだろう。

キャラクターの絵は不思議な絵で、妙な素人っぽさがある。

まるでWindowsのペイントでマウスを使って描いたような絵だ。これはこれで悪くない。

BGMはあまり印象に残らなかったというのが正直な感想だ。

穏やかで病院の待合室で流れていても気にならない。プレイに集中できるBGMだ。

キャンペーンクリアまでのプレイ時間は30時間程度

私がすべてのキャンペーンをクリアするまでのプレイ時間は30時間。

設備を整えた後は、ながらプレイも可能だ。

ただし、朝夜に1回ずつ作業負荷のレポートが表示され、時間がストップする。しばらく放置して資金を増やすようなプレイはできない

サンドボックスモードで病院を拡張していくことに喜びを感じるプレイヤーはずっとプレイしていられるだろう。

総合評価

https://emuventure.com/wp-content/uploads/2020/08/emu-fukidashi.png

総評:良い

『Project Hospital』は自由に病院を建設、運営できるシミュレーションゲームだ。

資金バランスは少しシビアに作られているが、難しすぎるというほどでもない。資金無制限のフリービルドも用意されており、かんたんプレイもできる。

診療科はそれぞれ受け持つ病気が違う。すべての診療科を設置するころに巨大病院となり、プレイヤーの知識も増える。

AI医師が患者の症状に合わせてテキパキと検査、診断が行っている様子を見ているだけでもおもしろい。

手術室などグロテスクな場面はデフォルメされ、その一方で機器類は精巧に描かれている。室内のレイアウトもしやすい工夫がある。

サンドボックスモードだけでは単調と感じるプレイヤー向けに、キャンペーン・チャレンジも充実しているがイベントにドラマ性が乏しい。

病院運営に興味があるプレイヤーはもちろん、様々な職業シミュレーションゲームが好きな人にもおすすめできるゲームだ。

グッドポイント
  • レイアウトの自由度
  • AI医師の華麗な診断
  • グロテスクさを抑えつつ、リアルなビジュアル
ウィークポイント
  • キャラクター特性の命名がストレートで下品
  • ドラマ性が乏しく、単調に感じる
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えむ

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