『The Guild 3(ギルド3)』は中世ヨーロッパを舞台にした自由度の高い人生シミュレーションゲームだ。
プレイヤーははじめに職業を選択し、何世代にも渡って事業を拡大したり、市政の要職に就いたりとさまざまな角度から自分が選んだ目標に挑んでいく。
シリーズの歴史は古く、ナンバリング初代『The Guild』が2002年、『The Guild 2』が2006年にリリースされている。
本作『The Guild 3』は2017年に早期アクセスをスタートし、5年近くの歳月をかけて2022年に正式リリースとなった。
クリアまでの道のりがプレイヤーに委ねられているのは魅力だが、チュートリアルには難があった(別記事にてクリアまでの道のりを紹介)。
本記事では『The Guild 3』のゲームプレイの流れを説明した後、内容をレビューしていく。
ジャンル | 人生シミュレーション |
発売元 | THQ Nordic (公式サイト) |
開発元 | Purple Lamp GolemLabs |
プラットフォーム (ストアリンク) | PC (Steam) |
発売日 | Steam:2022年6月15日 |
プレイ時間 | 18時間 |
- 中世ヨーロッパの世界観が好きな人
- いろいろなシミュレーションゲームが好きな人
- 細かい作業が好きな人
本記事はTHQ Nordic Japanから商品提供していただき、作成しています。
『The Guild 3』ゲームプレイの流れ
ゲームを開始する前に諸条件を決める。
都市やゲームモード、キャンペーンの内容などを選び、自キャラクターの外見やスキルを設定してゲームスタート。
キャラクターは外見やアビリティの他、宗教やスキル(職業)も選べる。
スキルは12種類あり、農業や理髪師など一般的な職業から、追い剥ぎ、墓掘り人などマニアックなものまで幅広い。
スタート直後は自キャラクター1人で事業を起こし、少数の従業員で事業所を切り盛りしながら収益を上げていく。
目標は1代で達成できるようなものではない。また、敵の襲撃などで家族が容易に命を落とすこともある。結婚相手を見つけ、子作りをして常に後継者を絶やさないようにしなければならない(養子を取ることもあり)。
事業を拡大しながら、農奴から市民へと成り上がっていく。
本作では“影響力”が重要だ。影響力はポイントで表されており、身分のアップやスキルツリーのアンロック、市政の役職に立候補する際に使用する。
使用した後は数値が減るため、資金を稼ぐように影響力も稼がなければならない。安定的に稼ぐには市政の役職に就くのが一番だが、他の地域との貿易や賄賂で手っ取り早く稼ぐ手もある。
資金と影響力を駆使して一族の地位を高めていき、目標を達成すればクリアとなる。
『The Guild 3』レビュー
チュートリアルが分かりにくい
『The Guild 3』は翻訳の問題か、元のテキストの問題なのか……本作のチュートリアルは説明が不十分で難しい。
筆者が最初につまづいたのがクエスト3つ目の「功績を自慢するを成功させましょう」だった。
何項目にも渡って功績を自慢する方法が書かれているが、ここにある手順を踏まずとも、屋外で自キャラクターを選択して「功績を自慢する」アイコン(画面下、右から二番目の手のマーク)を押せばいいだけだ。
テキストがまわりくどく、筆者のような初見のプレイヤーを惑わせる。ヘルプも親切とは言えない。
本作は自由度が高い反面、何をすればよいか分からない状態になりやすい。多くのプレイヤーがチュートリアルでつまづくことになるだろう。
チュートリアルでつまづかないように、攻略記事を書きました!読んでね!
繰り返される単純作業で忙しい
一族が2代目、3代目と代替わりしていくなかで、人数が増えていき、管理する手間も増えていく。
基本的には事業所のなかで働かせているため、日々何か新たな指示を出すことはない。
しかし、運搬などで一歩外に出ると、敵対する一族からの襲撃や追い剥ぎに遭ったりと危険だらけのため、頻繁に様子を確認しなければならない。
ちゃんと武器を持たせていれば安全だけど、連続で襲撃される時もあって目が離せない。
陶芸家なのに剣(ソード)で応戦!? 意外と武闘派ね。
後継者がいなくなるとゲームオーバーになるため、子孫を残すのは必須だが、恋愛→結婚→子作りの流れは手間がかかる。
子どもたちが恋愛できる年齢になったらとにかく異性にアプローチをかけ、恋愛に持ち込む。
すぐに結婚できるわけではないため、何度もアプローチをした結果、成功と失敗を繰り返して婚約から結婚へと導く必要がある。
え、お見合いでよくない!?
そこ、恋愛結婚にこだわる必要ある?
「あなたは石のようだ」の口説き文句センスない……。
一族の全員に配偶者をあてがうのは骨が折れる。
恋愛関係に個人のストーリーがあるわけではなく、3つの言葉から1つ選んで好感度を上げるのがメインになるため、単純作業を繰り返すことになる。
対策として、カップルは2組ぐらいにして子どもを多めに作るようにすれば、恋愛の回数は省略できる。
代替わりしたらまた恋愛から子作りの流れを繰り返すことにはなるが……。
一族は20人規模にもなるため、誰かしらの面倒を見ることになり、常に忙しい状態だ。
自由度の高さは魅力
もしも最初に選んだ職業が気に入らなければ、「影響力」を使って別の事業をはじめることもできる。
他の一族とバチバチにやりあったり、賄賂で影響力を買って市の役職を一族で埋めたりと、クリアまでの道のりは人それぞれだ。
実際のプレイはこんな感じ
ここで筆者のプレイ内容を紹介したい。
目標は統治者になること!
筆者は陶芸家としてスタート。徐々に事業規模を拡大して宝石制作にも手を広げた。
事業が軌道に乗る少し前から市政にもチャレンジして役職を得た。
文字にすると一瞬だが、ここまで波乱万丈だった。
3代目の当主が追放されたり、敵対勢力から毒を盛られるなど常に危険と隣り合わせの人生を送ってきたのだ。
統治者への道を順調に歩んでいたところに他の一族が領主に立候補してしまう事態が発生。
統治者に応募するには領主の身分を得ていなければならないが、筆者の一族はまだ準貴族止まり。
このままではゲームオーバーになってしまう……。
筆者に残された方法は他の一族の当主を葬るのみだった。
一族の悲願達成のために必要な犠牲なのだ……許してくれ……。
従者もろとも殺めたあとは平穏が訪れた。
事業の稼ぎを賄賂として活用して一族の影響力を高め、筆者の一族も領主まで上り詰めた。
市政の複数の役職も支配するようになり、一族の基盤も固まってきた。
そうこうしているうちに統治者が亡くなり、新たな統治者に立候補する機会が生まれる。
候補者のなかには入ったが、他の一族からも有力な候補を出している。このままでは負けそうだ。
もう殺るしかない、と一族の従者を派遣して候補者を亡き者にしようと試みる。
相手もそんなことは分かっており、一向に家から出てこない。
ついに出てきたところを仕留めたが、他の有力候補まで手が回らずにタイムアップ。
他の一族に統治者の座を奪われ、敗北となった。
このように実力行使に出るもよし、真面目に生きるもよし、プレイヤー次第だ。
20時間プレイしたけど、今回はクリアできませんでした。
すみません……。
ラスト3時間は、ちょっとつらそうだったわね。
おつかれさま!
『The Guild 3』の総合評価
『The Guild 3』は中世ヨーロッパを舞台にした人生シミュレーションゲームだ。
チュートリアルの分かりにくさや単純作業の繰り返しになってしまう点は気になる。しかし、自由度の高さは魅力的だった。
ゲーム内では自分で決めた最終目標に向かって進んでいく。達成までの道のりはプレイヤーによってさまざまだ。
長時間かけて、根気よくコツコツ積み上げ、回り道すらも楽しめる度量のあるプレイヤーにおすすめしたい。
- 高い自由度
- 暴君プレイがおもしろい
- 分かりにくいチュートリアル
- 飽きやすい繰り返し作業パート
- PC (Steam)
X(旧Twitter)では、このブログの更新情報や最新のシミュレーションゲーム紹介、お得なセール情報などを発信しています。ぜひフォローしてください!
▶えむのX(旧Twitter)をフォローする
このページで使用している『The Guild 3』のゲームキャプチャ画像は Purple Lamp / GolemLabs / THQ Nordic の著作物です。転載、配布等は禁止いたします。